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ミツガシワ(三槲) ミツガシワ科|ミツガシワ属

ミツガシワ
撮影日:2003年4月13日|場所:東京都板橋区赤塚植物園

ミツガシワは北半球の寒帯に広く分布する花だということですが、同じミツガシワ科のイワイチョウ同様、一属一種の多年草です。そういえば花の感じはイワイチョウと似ていますが、花弁の内側に白く長い毛がたくさん生えているところが特徴的です。
ミツガシワとイワイチョウは、よく見れば花も葉も全く違うのですが、なぜか一見したときの印象が非常に似ています。
一属一種とか、柱頭の長さが雄しべよりも長いものと短いものがあるとか、詳しく研究してみると面白いかもしれません。
日本では、北海道から東北の湖沼、湿原の池塘、水路に多く見られます。
この花は、氷河期に北半球に広がったといわれる古い花で、現在でもその生き残り(遺存植物)が、鹿児島あたりまで点在しているということです。
名前の由来は、柏のような大きな葉が三枚集まっているところから三柏(ミツカシワ)となったということです。
このメインの写真は、東京の板橋区にある植物園で撮影したものですが、その他の写真はほとんど月山で撮影したものです。
植物園では4月中旬には花を付けていましたが、高山に自生するものは、7月〜8月にかけて花が咲くようです。


<2011年7月28日>
月山では、浅い池塘に特徴的な3枚の葉を10〜20cmほど水面から突き出して群生しているのが印象的です。

ミツガシワ ▲池塘の水面から突きだしている葉。   ミツガシワ ▲ミツガシワが自生している月山の池塘。

 
ミツガシワ・メモ
■ミツガシワの特徴
ミツガシワ ▲総状花序に10数個の花を付ける。
葉が水面に出てくると同じように30cmほどの花茎が伸びて、総状花序に10数個の花をつけます。
花の色はほとんど白に近い淡いピンク、大きさは1.5cmほど、花は花序の下から咲き始め、深く五裂して、内側には白く長い毛が密生しています。
花には、柱頭が長い長花柱花と柱頭が短い短花柱花があるようです。
ミツガシワ ▲下から咲いていく花。
ミツガシワ ▲厚みのある大きな葉。
葉は長柄がある三枚の小葉からなり、水面から10〜20cmほどのところで展開します。
小葉の長さは4〜8cmほど、ちょっと厚みのあるアジサイの葉を小さくしたような感じの柔らかい葉です。