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ツルナ(蔓菜) ツルナ科|ツルナ属

ツルナ
撮影日:2007年5月2日|場所:千葉県上総湊

先日、ウインドサーフィンで有名な検見川浜に、自転車で散歩に行って、堤防釣り(平日なのに数人釣り人がいた)を見物し、帰りに人工海岸を野草を探しながら歩いていたら、ごろた石の間に、野菜の様な草を見つけました。
どこかで見たことがあるな、と思いながら、写真を撮って帰ってきて、古い写真を探してみると、ありました。
2007年5月2日に、上総湊の海岸で、同じ野草を撮影していたのですが、名称不明となったまま放っておかれていたのです。
早速、ネットを使って根気よく検索し、「ツルナ」という名前を知ることができました。ネットは本当に助かります。
ツルナは、別名ハマヂシャ(浜萵苣)といい、海岸の砂浜に生育し、漢方薬や食用として利用されていたようです。
海流によって種子が流され、太平洋沿岸(アジア、オセアニア、南米)の熱帯から温帯まで幅広く分布し、日本では太平洋沿岸に普通に自生しているようです。
太平洋戦争中は、野菜として畑で栽培されていたということで、昔の人には懐かしい野菜で、俳句の夏の季語にもなっています。
恥ずかしながら、わたくし、俳句を少々やっていますが、ツルナという名は初めてで、もちろん、季語になっているなんて知りませんでした。
薬効としては、胃潰瘍、胃酸過多、胃カタルなどに聞くと言われています。
また、食用としては、お浸しや吸い物、汁の実などのほか、てんぷらなどにも使われ、欧米では、ニュージーランドホウレンソウと呼ばれ、サラダなど、ホウレンソウと同様の使われ方をしているようです。

<2011年6月28日>
下の二枚の写真は、2011年6月22日に、検見川浜の人工海岸で撮影したツルナです。護岸用のごろた石の窪みのあちこちに自生していました。
おそらく、海岸を作るときに運ばれてきた砂に、種子が混じっていたのでしょう。

ツルナ ▲ごろた石の隙間に自生。   ツルナ ▲葉と花のアップ。

 
ツルナ・メモ
■ツルナの特徴
ツルナ ▲ツルナの花と葉。
ツルナの花は、大きさ5〜6ミリ程度、花弁がなく、黄色く見えるのは萼で、開花すると内側が黄色くなるようです。
雄しべは10本前後で、花柱が4〜6本、果実は萼に包まれ4-5個の突起のある堅果になって、海流散布されるということです。
葉は、肉厚でぽってりした感じ。大きさが4〜7cmで三角からひし形のような形をしています。
白っぽく毛が生えているように見えるのは、細かな砂状の突起で、ざらざらした感じで光っているので、白っぽく見えるのです。
ツルナ ▲群生している場合が多い。
茎は、高さ40〜60cm。蔓状に地面を這って繁殖。広い範囲に広がって生えていることが多いようです。