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ツメクサ(爪草) ナデシコ科|ツメクサ属

ツメクサ
撮影日:2011年5月31日|場所:千葉県習志野市谷津干潟

3月頃から、日当たりのよい芝生や野原で咲き始めるようですが、背丈は5〜10cm程度と低く、花も小さいのであまり目立ちません。
たまたま、公園の芝生を刈った後に、邪魔する者もいない、という感じで咲いていました。
周りには、季節外れのオオイヌノフグリとかトキワハゼとかニワゼキショウ、コメツブツメクサなど小さな花がたくさん咲いていました。
本来は、東アジア原産の雑草で日本全土に分布しているらしいのですが、あまり見たことがありません。おそらく見逃しているのでしょう。
花は、形と言い、大きさと言いノミノツヅリにそっくりなので、また、ノミノツヅリだと思って見逃したのかも知れませんが、ノミノツヅリと違うところは、葉が細くとがっていることと、ノミノツヅリは1本の茎が無数に枝分かれして花をたくさんつけるのに対して、ツメクサは、茎が根元で分裂し、その1本の茎に花を一つしかつけないということでしょうか。

<2011年6月6日>
昨日、ツメクサを観察していて、ツメクサの種を見つけました。ツメクサの花は小さすぎて、カメラのマクロレンズを通さないと、こんな小さな種は見つけられません。
この写真でわかったことは、花が終わった後に子房が膨らんで、その子房がはじけてカップ状になり、種をこぼすということです。
この1枚の写真でそれが見て取れます。
●下の写真の説明
写真左の中の番号(1)は、花弁が散った直後のようで、子房が少し膨らんでいるのがわかります。
(2)は、子房がかなり大きくなっていて、おそらくはじける寸前です。裂け目の筋がはっきりと見えます。
(3)は、子房がはじけたところです。子房の上部が5つに裂けてそり、カップ状になった中に種子がたくさん入っています。
右の写真は。その種子のアップです。私も始めて見ました。きれいで、また、自然の偉大さ、不思議さを感じます。

ツメクサの種子 ▲ツメクサの種子。   ツメクサの種子 ▲ツメクサの種子のアップ。

 
ツメクサ・メモ
■ツメクサの特徴
ツメクサ ▲ツメクサの花
ノミノツヅリの花 ▲ノミノツヅリの花
ツメクサの花の直径は、約4ミリ。白い5弁花で、がくと花弁の長さはほとんど同じです。
この写真で気がついたのですが、雌しべの先は5つに分かれているようです。
よく似た花のノミノツヅリは、花の大きさといい、がくも花弁と同じ長さであることなど、そっくりといっていいほど似ているのですが、ノミノツヅリのがくは、先がとがっています。
ツメクサ ▲ツメクサの葉
ノミノツヅリ ▲ノミノツヅリの葉
ツメクサの葉は細くとがっているので、ノミノツヅリとはすぐに見分けがつきます。
茎の高さは、5〜10cm、ほぼ直立し根元で分裂して、枝分かれはしないようです。
ノミノツヅリは、茎を地面を這うように蔓状に伸ばし、何度も枝分かれして花をつけます。