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イヌドクサ (犬砥草) トクサ科|トクサ属

イヌドクサ
撮影日:2003年5月25日|場所:千葉県船橋市南船橋

スギナのような茎にツクシの頭のような花をつける雑草があって、ずいぶん前に撮影しているのですが、名前がわからなかったのでそのままにしておいたところ、先日、同じものを見つけたので、ちょっと本腰を入れて調べてみました。 名前はすぐに「イヌドクサ」であることがわかり、もうひとつおまけに、やはりそれまで名前がわからなかった、このイヌドクサに似た植物の名前が「イヌスギナ」であることもわかりました。 イヌドクサは、スギナよりは太く、トクサよりもちょっと細めです。スギナとの大きな違いは、スギナよりも全体に大きく、茎が固いことで、トクサとの大きな違いは、茎から輪生の枝を出すことのようです。 河原や川岸など、水辺の砂地の荒れ地などに繁殖し、草丈は30cm〜100cmほど、5月下旬頃から花をつけ始め、9月頃まで咲いているようです。 30cmほどのものは、あまり枝は出さないようなので、スギナとは直感的に区別できます。また、50cmほどになると、茎の節の辺から短い枝を3〜5本程度出すようです。
2〜3年ほど前、葛西臨海公園の湿地で、トクサを太くしたような草を見つけました。茎から枝が出ていないので、おそらくトクサなのでしょうが、高さ1メートル、茎の太さが1cmほどもあるものもあります。いつも公園で見かけるトクサは背丈50〜60cm、太さ5〜6ミリ程度なので、ちょっとびっくりしました。
 
イヌドクサ・メモ
■イヌドクサの特徴
イヌドクサ ▲高さ30cm程度の場合
高さ30cm程度のものは、茎から枝が出ていません。地を這うように横に伸びているようです。
イヌドクサ ▲高さ70〜80cmの場合
高さ70〜80cmほどになるものは、大概、茎の節の下の辺から、短い枝を輪状に出し、まっすぐ上に伸びています。
イヌドクサ ▲茎の先端の胞子のう穂
茎の先端の花(胞子のう穂)は、大きさ、形ともにツクシの胞子のう穂とそっくりです。最初は緑色ですが、熟すと黄色から茶色になって、最後には小さな穂を開き、胞子をまき散らします。
■他のトクサ科との比較
トクサ ▲太いトクサ
トクサは全体に背が高く茎も太くなるようです。茎から枝を出すことはなく、まっすぐ上に伸びます。胞子のう穂のサイズ、形はイヌドクサと同じですが、最初は黒く、成長するにつれて黄色くなり、最後には開いて胞子を出します。
トクサ ▲イヌスギナ
イヌスギナは、背丈の低いイヌドクサといった感じですが、大きく違うのは、茎のそれぞれの節の下から数本の長い枝を出すこと。花がつく茎の先端部がツクシのように茶色になっていることです。まるでスギナにツクシの頭を合成したように見えます。